ジェネリック医薬品はどうして安いの?
ジェネリック医薬品はどうして安いの?
新薬の開発には特許があります。
新しい薬を開発するにはかなりのお金と時間を使います。そこで、新薬を最初に開発した製薬会社は「特許」(知的財産権を守るため)をとることができます。その「特許」が生きている間は他の製薬会社はお薬を作ることができないので、最初の会社が今まで投資したお金(それ以上に儲かったりすることも)回収していきます。
医薬品の特許には以下の4つがあります
①新規の化学構造の物質が医薬品に使用できることを発見した際に与えられる
「物質特許」(お薬そのもの)
②すでにあるの医薬品の新しい製造方法を発見した際に与えられる
「製法特許」(作り方の特許)
③錠剤からカプセル剤など既存の医薬品を新しい製剤によって処方すると有効であることを発見した際に与えられる
「製剤特許」(製剤の形状の特許)
④既存医薬品の新しい効能や効果を発見した際に与えられる
「用途特許」(別の効能を見つけた特許)
その中で最も重要でよく「お薬の特許」と言われるのは創薬研究に関わる①の「物質特許」のことを指します。
現在の特許法では取得した特許権の存続期間を「出願から」20~25年と定められています。普通、治験を始める前で特許の出願を行い、
その後に開発や審査など10年くらいかかるとすれば、実際に最初の製薬会社が独占販売できる期間(特許が切れるまで)残り5~10年くらいになってしまいます。
ですが、新薬は安全性の審査などにも時間がかかるため、製薬会社が申請すれば最大5年「特許発明の実施をすることができない期間」延長することができます。
とはいっても独占販売ができるのは10~15年くらいとなります。
ジェネリック医薬品って?
そしてその「特許」が切れた時、他の製薬会社は同じ有効成分のお薬を作ることができます。(②③④の特許が残っている場合は他の製造方法など工夫します)
それを最初の医薬品を「先発医薬品(新薬)」と呼ぶものに対して「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」と呼んでいます。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に製造・販売される、
「先発医薬品と同じ有効成分を同量含んでおり、(先発医薬品と)同等の効き目がある」と認められた医薬品で
先発医薬品に比べて薬の値段が約5割程度、中にはそれ以上安くなるものもあって、調剤時の自己負担や国民医療費の抑制にもつながることから積極的に使うようにしています。
ジェネリック医薬品ってどうして安いの?
上記でも触れたように「成分・効能は同等」なので、どうして安いかと一番わかりやすいのは「製造にかかる費用や時間」ということでしょう。
①「特許」が切れているので最初に開発した製薬会社へ「特許使用料」を支払わなくていい。
②もうすでに作り方がわかっているので、作り方の開発がほとんどいらない。
③治験もある程度実施されているので、新薬開発程治験に時間がかからない。
④新薬開発会社は「研究段階」で特許を申請するが、ジェネリック会社は「特許」が切れる前に研究開発ができるので、ちょうど「特許」が切れた時から「承認・販売」ができるため時間がよりかからない。
⑤複数の製薬会社が共同で同じ工場でジェネリック医薬品を作ることもでき、効率化が図れます。
(工場の固定費・人件費・材料費などの削減)
ジェネリック医薬品のメリット
①継続的に服用するお薬程結果安くなる。
・1回2回の投薬だとなかなか気づかないところですが、年間通して毎日服用するお薬であった場合、保険適用だとしてもものすごい金額節約できます。
②医療保険の削減
・例えば3割負担で私たちがお薬を保険で処方された場合、残りの7割は国から医療機関へ支払うことになります。それ自体が安くなることで社会保険料の節約になります。
ジェネリック医薬品を処方するには?
調剤薬局で「ジェネリックにしますか?」とほぼ聞かれますので、その時に希望してもよいですし、「ジェネリック医薬品希望カード」のようなものを持っている場合は提示することで該当するジェネリック医薬品が薬局にあれば調剤してもらえます。